フランス留学 2024/12/26

トゥールーズが留学生に人気の7つの理由とは?デメリットと必要な費用も解説

トゥールーズが留学生に人気の7つの理由とは?デメリットと必要な費用も解説
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トゥールーズはフランス南部にある小さな街です。レンガ造りの歴史ある建物があるかと思えば航空機やエアバスの製造拠点という最先端工業地の顔も持っています。

フランス留学と言えばパリやニースを思い浮かべる人が多いかも知れませんが、フランスでも最古の大学をはじめハイレベルな学校が多い学研都市です。そのため、世界各国から留学生が集まっています。

このページではトゥールーズ留学の人気の理由や、留学に必要な費用など、留学の前に知っておきたい情報をご紹介します。

トゥールーズが留学生に人気の理由

トゥールーズはフランス第4の都市と呼ばれていて、世界中から若い学生が集まっています。その人気の理由はどこにあるのでしょうか?

トゥールーズの基本情報

まず、トゥールーズの基本情報を押さえておきましょう。

  • フランス南部に位置し、ミディ=ピレネー地域圏の首府でありオート=ガロンヌ県の県庁所在地  
  • 人口:約40万人(近郊を含めるトゥールーズ都市圏の人口は約100万人)  
  • 平均最高気温は28℃、平均最低気温は2℃で東京とほぼ同じ 
  • 旧石器時代から人が住んでいた 
  • レンガ造りの建物が多く、「バラ色の街」と呼ばれている  
  • ピレネー山脈まで110㎞、地中海の海岸まで150㎞で南フランスの観光が楽しめる  
  • 日本からの直行便はなく、パリを経由してトゥールーズ・ブラニャック空港まで行く
    (乗り継ぎを含めて東京から約15~18時間)  

紀元前2世紀ころに「トロザ」という都市ができ、それが「トゥールーズ」の語源になったと言われています。素焼きのテラコッタ・レンガ造りの建物が多く、レンガの色がピンクやオレンジ色をしていることから「ラヴィルローズ(バラ色の街)」と呼ばれています。

トゥールーズが留学先として人気が高い理由

トゥールーズはスペインの国境に近く、スペイン人も多く住んでいます。市内にはスペイン人のコミュニティがある他、北アメリカ出身者やアラブ系の人などさまざまな国と地域の人が住んでいます。

一方、航空機産業が盛んでドイツやアメリカ、イギリスなど欧米諸国からも多くの人が訪れています。

トゥールーズではフランス語以外にスペイン語やドイツ語、英語などさまざまな言語を耳にします。そういった国際色豊かなところが、トゥールーズ留学の人気の理由になっているのでしょう。

トゥールーズ留学の魅力とデメリット

では実際にトゥールーズ留学にはどのような魅力があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

トゥールーズ留学7つの魅力

トゥールーズには、次のように多くの魅力があります。

  1. ハイレベルな学校が多い学研都市  
  2. 日本人が少ない  
  3. 多国籍の人と交流できる  
  4. スペインに近いので休暇には遊びに行ける 
  5. フランス南部に位置しており、冬でも比較的暖かい  
  6. 歴史的史跡が多く休日も充実 
  7. フランスの中では物価が安い

ひとつずつご説明していきます。

ハイレベルな学校が多い学研都市

トゥールーズ大学はパリ大学、モンペリエ大学、ボローニャ大学(イタリア)などと並ぶヨーロッパ最古の大学のひとつです。規模も大きく、現在は社会学部、人文科学、理工学がそれぞれ大学として独立しています。

また、トゥールーズ政治学院やヨーロッパ最大の航空学校、先端科学の工科大学などもトゥールーズ大学と連盟関係にあり、世界中から多くの学生が学びに来ています。

16世紀に活躍した哲学者のミシェル・ド・モンテーニュやカトリック司祭のヴァンサン・ド・ポールなど歴史上の多くの著名人もトゥールーズで学んでいます。

日本人が少ない

トゥールーズの語学学校は日本人の割合が10%前後と低いのが特徴で、街全体を見ても日本人の比率はあまり高くありません。その結果、日本語に触れる機会が少なくなり、フランス語の上達が期待できます。

そういった面でトゥールーズは勉強以外のアクティビティを目的にする留学というよりも、「本気でフランス語を修得したい」という人に向いています。

フランスの大学進学を目指せる環境

トゥールーズにはフランスの大学進学を目指す留学生がたくさん集まっています。

勉強熱心な学生が多いため、留学後にフランスの大学に進学したいという人にとって、ぴったりの環境だと言えるでしょう。

多国籍の人と交流ができる

トゥールーズに住む学生の数は11万人もいると言われていて、日本の大学からも交換留学生が訪れています。

また、スペインの国境に近いため、スペイン料理の店が多いのもトゥールーズの特徴です。

留学生はスペインをはじめとするヨーロッパの各国、アメリカ・カナダ、アラブ系、アメリカ系など世界中から集まってきています。多国籍の人と交流できるのがトゥールーズ留学の魅力のひとつだと言えるでしょう。

スペインに近いので休暇で遊びに行ける

トゥールーズはパリからは飛行機で1時間、TGV(フランスの高速列車)で約5時間かかりますが、スペインの国境に近いためバルセロナにはTGVで3~4時間で到着します。

国境をまたいで他国に旅行に行けるのはトゥールーズ留学ならではの魅力だと言えます。

フランス南部に位置しており、冬でも比較的暖かい  

パリは冬季の平均気温が5℃~10℃、夏季の平均気温が15℃~20℃で、春先でも寒い日があります。

一方、トゥールーズの平均気温は冬季で10℃前後、夏季で25℃前後と温暖で過ごしやすい気候です。日本の気候と似ているので過ごしやすく感じるでしょう。

歴史的史跡が多く休日も充実  

1700年代に造られたトゥールーズ市庁舎(キャピトル)はまるで宮殿のような美しさで、市民だけでなく多くの観光客が訪れています。美しい天井画や壁画、廊下の彫刻などは必見です。

キャピトル前の広場とその周辺には、トゥールーズ独特のレンガ造りの建物が並びます。

また、11世紀にたてられたサン・セルナン・バジリカ聖堂は西洋最大のロマネスク建築で、世界遺産に登録されています。ドミニコ会最初の修道院である「ジャコバン修道院」も観光スポットとして人気があります。

このような歴史的な史跡が多い一方で、エアバス本社があり、予約をすれば飛行機の製造工程を見学できます。

イベントが豊富

トゥールーズでは年間1000ものイベントが開催されています。こまめにチェックしてぜひ参加してみましょう。特にクリスマスマーケットは多くの店が出店し、にぎわうのでおすすめです。

フランスの中では物価が安い

フランスの物価は都市によって異なりますが、特にトゥールーズはパリと比較すると物価が安いことで有名です。
トゥールーズでの主な商品の価格をご紹介します。

  • パスタ500g……0.88ユーロ(約114円)  
  • トマトソース缶入り(425g)……1.14ユーロ(約148円)  
  • 牛乳1リットル……0.9ユーロ(約117円)  
  • オレンジジュース1.5リットル……1.24ユーロ(約161円)  
  • 食パン1袋……1ユーロ(約130円)  
  • 牛肉100g……1.25ユーロ(約125円) 
  • マクドナルドのセット……4.95ユーロ(約644円)  

(1ユーロ=130円で計算しています。)
このように日本のスーパーで買う場合と同じか、それよりも安いくらいの価格ですね。

一方、パリでは水(330ml)1本が1.98ユーロ(約258円)、ランチが平均15ユーロ(1950円)、マクドナルドのセットが8ユーロ(1040円)などで、トゥールーズのような地方都市よりもかなり高くなっています。

留学で生活費や食費は重要なポイントですが、物価が安い点は大きなメリットであり魅力を感じるところです。

トゥールーズ留学のデメリット

トゥールーズ留学のデメリットも知っておきましょう。

地元情報が少ない

フランスの留学地としてはパリやニース、リヨンなどが有名ですし、人気があります。一方でトゥールーズは知名度が低く、日本で多くの情報が得られないというのがデメリットになるでしょう。

ただ、ここまででも書いてきた通り、留学先としては多くの魅力がある土地なので、ぜひ留学先の候補として検討されることをおすすめします。

英語がほとんど通じない

フランス留学なので当然なのですが、特にトゥールーズは英語はほとんど使われず、フランス語とスペイン語、アラブ系の言語が多く使われています。

渡航前には日常生活に必要なフランス語や簡単なフランス語会話ができるようにしておきましょう。

トゥールーズ留学の費用はどれくらい?

物価が安いトゥールーズですが、留学にかかる費用はどれくらいなのでしょうか。

次の項目に分けて考えてみましょう。

  • 渡航に関する費用  
  • 滞在費 
  • 生活費  
  • 学費  
  • その他諸費用 

トゥールーズ留学の渡航に関する費用

まず、渡航に関する費用として、次のものがかかります。

内訳 費用
航空券   東京→トゥールーズ(片道)7万円~10万円  
海外旅行保険   留学生賠償責任補償付き (3ヶ月)約38,000円   
ビザの申請費用   学生ビザ(90日を超える場合) 99ユーロ(約12870円)
(90日以内の滞在は不要) 

(1ユーロ=130円で計算しています)

フランス留学で海外旅行保険は必要!

海外に行く場合は数日間の旅行でも海外旅行保険は必要です。留学の場合はさらに期間が長くなるので、必ず海外旅行保険(留学生賠償責任補償付き)に加入しておきましょう。

特にフランスは日本と異なり医療費が高いという特徴があります。初診料だけでも1万円近くかかり、救急車も無料ではありません。

水や食事が合わないために体調を崩す心配もあるため、保険には必ず加入しておくことが重要です。

学生ビザの条件

フランスに留学する場合、90日以内の滞在であればビザは不要です。90日を超える場合でも、特にディプロムや資格取得が目的ではない場合は「ビジタービザ」が適用されます。申請費用は99ユーロです。

トゥールーズ留学の滞在費

トゥールーズ留学の滞在費は、どこに宿泊するかによって大きく違ってきます。主な宿泊先には次のところがあります。

  • 学生寮  
  • 民間寮  
  • ホームステイ  
  • アパートホテル  

学生寮

一番便利なのは学校が設けている学生寮です。学校に近い上に、同じ学校に通う留学生との交流もできます。

また、食事の提供があるところが多いので、自炊しなくてもいいという点でも安心です。

民間寮

学校が提携している寮に入る方法です。学生寮がない語学学校や学生寮の部屋数が少ない場合などに、学校が紹介してくれます。

利用する場合は通学に不便ではないか、通学にかかる費用と時間をよく調べておきましょう。

ホームステイ

語学学校が提携しているホームステイを紹介してもらえる場合があります。ただ、食事などの条件は事前によく確認することが大切です。

アパートホテル

アパートホテルはホテル仕様のアパートというイメージです。留学生だけでなく旅行者もよく利用しています。日本のアパート入居の契約のような面倒さがなく、数日間だけでも気軽に利用できる点がメリットですが、学生寮に比べると料金は高くなります。

それぞれの宿泊先の1ヶ月の費用を比べてみました。

宿泊先 1ヶ月の費用
学生寮   ミニキッチンあり(自炊)……270ユーロ~330ユーロ(35100円~42900円)
民間寮   朝食と夕食(16食分)付き……450ユーロ(58500円)   
ホームステイ  ・部屋のみ……400ユーロ(52000円)
・朝食付き……480ユーロ(62400円)
・朝夕付き……720ユーロ(93600円)
アパートホテル  1人部屋・食事なし……約17万円~ 

(1ユーロ=130円で計算しています。)
このように滞在先によって料金がかなり異なります。アパートホテルは学校が紹介してくれるところは安く利用できることがあるので、聞いてみましょう。

トゥールーズ留学で必要な生活費

トゥールーズはパリに比べると物価が安い上に、幅広い食材が手に入るマーケットが充実しています。

自炊に挑戦するのもいいことですし、フランス料理だけでなくスペイン料理やイタリアンなどの外食を楽しむことも可能です。

仮に朝食を500円、ランチ700円、夕食1000円で計算すると、1日あたり2,200円かかります。1ヶ月では66000円かかりますが、朝食と夕食を自炊するともっと食費を抑えることができますし、学生寮の食事を利用するのもいい方法です。

また、洗剤やシャンプーなどの日用消耗品、理美容代、交通費なども必要になります。交通費は事前に距離と費用をよく調べておきましょう。

これらを考えて、1ヶ月の生活費は8万円~10万円ほどかかります。

トゥールーズ留学の学費

ある語学学校の学費は、23レッスン/週(1レッスン45分で9時15分から13時まで)のインテンシブコースの場合4週間で890ユーロ(115,700円)になります。

さらに上級コースになると、4週間で2000ユーロ(26万円)、フランス語とフランス料理を学ぶコースで4週間1540ユーロ(約20万円)などもあります。

トゥールーズ留学1ヶ月の費用は約26万円

これらの情報を元にトゥールーズ留学で1ヶ月にかかる費用は次のようになります。

  • 滞在費…約4万円(学生寮の場合)  
  • 生活費…約8万円(食費・日用品など)  
  • 学費…12万円  
  • 交通費その他…2万円  

これらの合計を見ると1ヶ月で約26万円かかることになります。

学生寮がない場合はもっと費用がかかる

上の計算は学生寮を約4万円で利用する場合の費用です。実際は学生寮がない学校や、学生寮の空きがない場合があり、その際にはもっと滞在費がかかるので注意してください。

渡航費や初期費用も忘れずに!

別途、渡航費として10万円前後(片道)、海外旅行保険として1ヶ月12,000円前後かかる上に、現地での生活に必要な品を購入する初期費用などがかかります。

予算は多めに準備しておきましょう。

トゥールーズ留学におすすめのエージェント

トゥールーズはフランスの中でも物価が安く、ハイレベルな学校が多いため、留学先として人気が上昇しています。

ただ現地情報が少ないという難点があるため、信頼できる留学エージェントを利用することが大切です。

いくつかのエージェントをご紹介します。

Chemin*h.(シュマンアッシュ)

シュマンアッシュはトゥールーズの現地情報や語学学校の情報に精通しているため、学校選びや滞在先の相談などに利用することで不安がかなり解消されます。一部のサポートは有料になりますが、学校選びや入学手続き、ビザの申請サポート、現地でのサポートなどが受けられます。

フランス語の語学学校だけでなく、専門学校やフランスの大学進学などのサポートも行っています。フランス全土を対象に多くの学校と提携しているので、選択肢が広いという点でもおすすめのエージェントです。

フランス留学センター

フランス留学センターはフランス各地への留学サポートを行っているエージェントです。

学校相談、保険加入手続き、ビザ申請サポート、航空券の見積もりなど、自分でやるには面倒なことを無料でやってくれる心強い存在です。

また、オンライン(Skype)でフランス語のマンツーマンレッスンを2回、無料で受けられるのもうれしいですね。

トゥールーズ留学 まとめ

トゥールーズはフランス南部にある歴史ある都市です。エアバス本社があり、航空機産業が盛んであること、歴史ある大学がある学研都市であることなどから、世界各国から多くの留学生が学びに来ています。

パリなど都市部に比べると物価が安く過ごしやすい上に、日本人が少ないので勉強に集中できるというメリットもあります。

ただ、日本ではまだトゥールーズの情報が少ないため、留学に際しては信頼できるエージェントに相談しながら進めていきましょう。

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